トムセープとSSS8!

俺はみかけや雰囲気よりも、まず実用性を重視する現実的な人間である。

会社員時代、社員旅行があった。
当時俺は軽のシルバーのワゴン車に乗っていたが、車を持っていない後輩の宇野と言う男に「俺の旅行中に乗るか?」と聞くと「乗る」と言うので貸したことがある。

ところが帰ってくると車が無いので宇野に連絡したところ「すみません、ぶつけちゃって…」という。

急いで見に行くと、左側の助手席と後部のスライドドアが大きく凹み、それでもなんとか助手席のドアは開閉できる状態だった。

俺は、まぁいいや。車なんて走りゃいいんだ。気にすんなと宇野に言い、スライドドアが落ちないように車体にガムテープをベタベタと貼って普通に乗っていた。

すると向かいの車屋さんが見かねて「中古だけど良かったら助手席のドア変えてあげるよ」と言ってくれたので俺は喜んで彼女に報告すると「私は銀色の車体に助手席だけ茶色の車なんか乗りたくない」と怒り出したので、この計画はパァになった。

俺は走れば問題ないじゃないかと思ったが、そういう男がカレーを作るとウチのカレーみたいな外観になる。

ということで、まったりニハリ、鮮烈コールハープリときたので、今週はタイの豚スープ、トムセープムー!!香り高いハーブと豚のうま味。今回はニラなんかも使ってより複雑に。合わせる裏スープはこれまた複雑なSSS8!!

①トム・セープ・ムー
さてさて、タイの東北部、イサーンと呼ばれる地域の豚スープの登場!南アジアでは乾燥スパイスを多用しますが、東南アジアの料理は生のハーブをよく使い、魚醤などの発酵調味料を使う特徴があります。

豚肉を、コブミカンの葉、レモングラス、カー、小粒の生唐辛子、乾燥赤唐辛子、タマリンド、ナムプラー等で肉が柔らかくなるまで煮込み、仕上げにレモンとニラで仕上げてあります。
立ち上る爽やかなハーブの香り、酸味と旨味が唐辛子の刺激と共に広がります。ベイビー、美味いぜ!

辛くて酸っぱい味はトムヤムと似ていますが、トムヤムナムコン(濃い口トムヤム)に使われるココナツミルクを、ほぼ使わない地域の料理であることと、プリック・ポン(唐辛子粉)の入ったトムヤムを、店主が食べたことが無い事、香りがもっと複雑な事あたりが違いと言えば違いかもです。

田舎の料理のため、マジ激辛で酸っぱくて強い味なのですが、全体のバランスを考えて、そこそこに調整してあります。単体でも美味しいですが、スープカレーや他の副菜と合わせて食べると色々楽しめるかと思います。ライスはつきません。420円

②ヒヨコマメの中東風ディップ
ヒヨコマメを煮込み、ニンニクやレモン汁、炒って石臼で挽いた白ゴマなどと合わせ、ペーストにしてあります。ライスに合わせたり、時折スープカレーを合わせ味変しながら食べるとクリーミーな風味がプラス。120円

③スーパースパイシースープ8
レギュラースープをオーバードライブさせるぜ!SSS8は、メース、キャラウェイ、白ゴマ、カルパシなどの高い芳香を放つスパイスを13種ほど使い、キレのいい香りと、大変複雑に広がるスパイスの味わい。100円

①~③の全部盛りは、いつも通り「オール」とスタッフまで!

④大根のピックル
インド式の油とスパイスで漬けたピクルス!クセになる味わい。一口ごとにスープカレーや他の副菜と合わせると、味が強くなり、スパイシーさが増します!120円

⑤ヨーグルトのトルコ風ディップ
水切りしたヨーグルトにニンニク、ミント、唐辛子、甘酸っぱいざくろのビネガーなどを加えた濃厚でクリーミーなディップ!!味変アイテムとして合わせると、味がとても深くなります。120円。

⑥パクタレ
人気のパクチーのタレ。
ほんの少しの量をライスに付け、スープカレーと共に口にいれると、広がる旨みと香り!60円ナリ!

⑦ナスと鰹節のピックル
スパイスの香りをつけた油でにんにくと生姜、ナスを炒め、パウダーにしたスパイスを加えて弱火で煮込み、鰹節、塩、レモンで味を調えてあります。トロトロに煮込んだナスと鰹節のうま味が一体となり、カレーに優しく華を添えます。120円ナリ。

その後、銀色軽ワゴンは、偶然にもドアの取り換えを申し出てくれた「堺商会」さんの前で偶然スライドドアが取れてしまった。
これはもうダメだと思った俺はそのままスタスタと店に入って「すみませーん!車下さい」と言って、中古の軽ワゴンを現金で買ったのだった。人生、いろいろあった方が面白い。

さてさて6月!ではでは皆々さま、良い週末を!(^。^)

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