スパイス、ハーブというものは実に面白い。カレー屋の俺としてはまず思い出すのはインドだが、各国、各地域でいろんな使われ方をしている。
南アジアではスパイス、東南アジアでは、ハーブをメインに使う印象。ベトナムなんかでは付け合わせに大量のハーブ類が付いてきたりする。
日本のスパイスミックスの代表と言えば七味唐辛子だろう。漢方薬やアーユルヴェーダでもスパイスが多用されるし、日本では「薬味」と呼ばれるのも、そういう歴史があるからだろうな。
8世紀ごろからムスリム商人が中東を手始めとして、アフリカや南アジア、東南アジア
へと活動範囲をどんどん広げ、その主要な交易品が香辛料だったという。そしてその活動が、東南アジアにもイスラム国家を誕生させた要因らしい。
そして、1453年、オスマン帝国がキリスト教を国教とする東ローマ帝国を滅ぼし、その後50年ほど東方貿易のルートを独占するようになる。
そして、オスマン帝国と言えばいまのトルコの前身の国。そのせいか、トルコではバザールに行くといろんなスパイスやスパイスミックスをよく見かける。
今週のザ・限定は中東風に調合したスパイスミックスを使ったSSS4ポークマサラ!
ミントやタイムなども使用しているので、gopでは異彩を放つ面白い味わい。
合わせる裏スープはSSS8!合わせると複雑さに輪をかけるぜ!
①SS4ポークマサラ
SS(スーパースパイシー)はそれぞれにスパイスの配合を変えたマサラを使う、大人気
のシリーズですが、中でも4は異色。
タイムやミントなどのハーブも加えた、中東のスパイスミックスを参考にした、その他の南アジア系SSと味も香りも全く違う組み立てになっています。
16世紀、インドを支配した強大な「ムガル帝国」を建国したと言われるバーブルは、教科書に出ていたティムールさんの血を引く、モンゴル=トルコ系民族だそうで、よし、これは面白い。
ではそのトルコ由来のマサラを使って、ムスリムの人が食べないポークマサラを作ろう、と思いましたぜ!
スパイスとレモン、ヨーグルトでマリネした豚肉をトマトで煮込み、トドメにSS4マサ
ラで仕上げてあります。
使用スパイスは他のSSに比べて少ないですが、その分香りのコントラストが際立ち、豚肉の甘みと絡んで今までにない面白い仕上がり。口に残るハーブの香りがポイント。ベイビー美味いぜ!
ライスに少しずつかけ、スープカレーや他の副菜と合わせて混ぜて食べると、味が立体的になってかなり遊べます。ライスはつきません、すまん。420円。
②ヒヨコマメの中東風ディップ
中東のペースト料理、人気のgop風のホムス!!ヒヨコマメを煮込み、ニンニクやレモン汁、炒って石臼で挽いた白ゴマなどと合わせ、ペーストにしてあります。
ライスに合わせても美味いですが、スープカレーを合わせ、味変しながら食べるとクリーミーな風味が広がり、ベイビー美味いぜ!120円
③スーパースパイシースープ8
レギュラースープをオーバードライブさせるぜ!SSS8は、メース、キャラウェイ、白ゴマ、カルパシなどの高い芳香を放つスパイスを13種ほど使い、キレのいい香りと、大変複雑に広がるスパイスの味わい。100円
①~③の全部盛りは、いつも通り
「オール」とスタッフまで!
④大根のピックル
インド式の油とスパイスで漬けたピクルス!辛塩酸苦のクセになる味わい。一口ごとにスープカレーや他の副菜と合わせると、味が強くなり、スパイシーさが増します!120円
⑤ナスと鰹節のピックル
赤唐辛子とマスタードシードの香りをつけた油でにんにくと生姜、ナスを炒め、パウダ
ーにした赤唐辛子、パプリカ、コリアンダーシードを加えて弱火で煮込み、鰹節、塩、レモンで味を調えてあります。
トロトロに煮込んだナスと鰹節のうま味が一体となり、ライスと合わせ、スープカレーと一緒に口に入れると味変アイテムとしてカレーに優しく華を添えます。120円ナリ
⑥パクタレ
常連さんに人気のパクチーのタレ。
ほんの少しの量をライスに付け、スープカレーと共に口にいれると、広がる旨みと香り!60円ナリ!
⑦ビーツディップ
玉ねぎとニンニクを透き通るくらいに炒めて甘みを出し、茹でたビーツとジャガイモと合わせ、煎ったウラド豆やココナツ、乳製品などを加え、鮮やかな色合いのディップにしてあります。
荒めに砕いた黒胡椒と少量の青唐辛子とレモンで味を引き締め、ディルを加えて香りを立ててあります。120円
カレーは歴史も合わせて考えるとイロイロ面白く、知るとカレーについてさらに深く考えることができる。
昔は歴史なんて大嫌いで、特に日本史なんかすべてのマスに「平清盛」とか書いて、どれか当たってればいい、などと思っていたが、今思えば物語のある面白い学問だな。先人たちが生きてきた土台に我々は暮らしている。
ということで皆さま、良い週末を!!(^。^)