スリ狂のとーさんに、初めてタイに連れて行ってもらったのは20年くらい前の話。
タイ東北部、イサーンと言われる地方のサムローン村の小学校に、ナマズの養殖池を作るというプロジェクトがあり、俺もついていったのだ。
スリン駅から車で数十分走ると、村の入口があり、そこをどんどん奥に入っていくと村がある。
小さな雑貨屋が1軒と、田んぼ、貯水池、そしてお寺くらいしかない、何もないけど不
思議に居心地のいい、ド田舎の村。本当に何もない。
学校のワッタナー先生の家に泊めてもらっていた。ニワトリや七面鳥が、その辺を勝手に歩き回っている。
高床式の2階建てで、暑いタイだが心地よい風が吹き抜け、長粒米のもち米(これが美
味い)と裏の池で捕った骨の多い小魚の煮込みとかを家族と一緒に食う。
村の人と夜に田んぼにカエルとネズミを捕まえに行き、揚げて食べたこともあった。ネズミはめちゃめちゃ美味いのである。
あらかじめ、ビールを1箱買っていったので、村の人と毎晩、酒盛りをしていた。興が乗ってくると、タイの伝統楽器を出してきて歌い踊るので、俺もその辺にあったギターで参戦する。
ある夜、物凄い数の蚊の群れが入ってきて、巨大な蚊柱となった。
家の人は慌てずに金たらいに水を入れ、明かりの下に置いた。すると、明かりの映った水に蚊は次々とダイブし、蚊柱はあっという間に消えた。
蚊の習性を利用した生活の知恵に、俺は心底感心した。
その後、あちこちの国に行くようになり、多様な価値観と生活様式を持った人たちが、同じように毎日を暮らしているのを知る。
カレー屋の俺としては、一生懸命カレーを作ることくらいしかできないが、願わくば、世界中の人たちが笑顔で暮らせますように。
ということで、今週のザ・限定はスパイスバリバリ、ポークチェティナード!
合わせる裏スープはSSS7で行くぜ!
①ポーク・チェティナード
インド、タミルナドゥ州の南部に位置するチェティナード地方は、スパイシーで香り高い、多様なスパイス使いの料理で知られています。
gop屈指の複雑なスパイス使いのスペシャルなカレー、今回はインドではあまり見かけ
ることのない、豚肉を使ったバージョン!
ローストしたスパイスをパウダーにして豚バラをマリネし、青唐辛子、玉ねぎ等を炒め、肉とトマトを入れて煮込み、仕上げにフェンネル、スターアニス、メース、チリ、カルパシなどを焙煎して作ったマサラを加え、水をほとんど加えず仕上げてあります。
羊よりもクセがなく、濃厚な旨みを感じる脂に、大量に入れたスパイスが溶け込み、柔らかくも突き抜けるスパイス感が甘い余韻となって消えていきます。
スパイス好き必食、必殺のポークマサラ。ベイビー美味いぜ!ライスは付きません、すまん。
これとライスだけでも美味いですが、スープカレーや、他の副菜といろんな組み合わせで食べると、さらにオツ。オタメシアレ!420円。限定!!
②ヒヨコマメの中東風ディップ
ヒヨコマメを煮込み、ニンニクやレモン汁、炒って石臼で挽いた白ゴマなどと合わせ、ペーストにしてあります。
ライスに合わせても美味いですが、時折スープカレーを合わせ、味変しながら食べるとクリーミーな風味が広がり、ベイビー美味いぜ!120円
③スーパースパイシースープ7
SSSの中最もシンプル。使用スパイスは3種のみ。
これがまた、レギュラースープのいい帯域をブーストアップしてくれる、鮮やかな香りとシャープなキレの、昔からの常連が大好きなヤツ。100円。
①~③の全部盛りは、いつも通り
「オール」とスタッフまで!
④大根のピックル
インド式の油とスパイスで漬けたピクルス!マスタードとヒングで香りを付けた油でにんにくと生姜、大根を炒め、スパイスとレモン汁を加えてあります。
辛塩酸苦がクセになり、一口ごとにスープカレーや他の副菜と合わせると、味が強くなり、スパイシーさが増します!120円
⑤ヨーグルトのトルコ風ディップ
水切りしたヨーグルトにニンニク、ミント、唐辛子、甘酸っぱいざくろのビネガー「ナール・エキスィシ」などを加え、濃厚でクリーミー!!
そのままライスと食べても美味いですが、スープカレーや他の副菜と合わせると味がとても深くなります。いろんな組み合わせでオタメシを!!120円。
以前、味乃しゅうかさんと友達の方に、ナール・エキスィシを頂いたので再開したヨーグルトのディップ、あと2、3回の仕込みで終了。ヨーグルトディップ好きの方、今のうちにどーぞ!
ということで、皆さま、良い週末を!(^。^)